Quarantine Bakery

オープンしました!ついに私もベーカリーオーナーに・・!

というのはもちろん冗談ですが、

当初3週間の予定だったロックダウンが延長となり、引き続き引きこもり生活が続く中、毎日パンを焼き、唯一のお客さんである夫を相手にベーカリーごっこをしています。笑

Quarantineとは”隔離”の意味で、人々はロックダウン中の自宅での生活をQuarantineやSelf isolationなどと言い、近頃はよく聞く言葉になりました。

ということでお客さんが一人しかいなくても、Quarantine Bakeryは絶賛(赤字)営業中。

名前の響きも某有名Tar○○ne Bakeryに似ていて、ちょっと気に入っていたり。

ある日の朝食。サワードウにルバーブジャムをつけて。

ここ数日、一日あたりイギリスの新規感染者数は5000人以上、死者は900人以上という恐ろしい状態。。

ロックダウン後3週間経った今も収束の見通しは立たず、寝ても覚めても食べても何をしていても、もやっとした不安が死神のように四六時中ついてまわります。

ロックダウン中、20℃以上の暖かな陽気が続く、この皮肉っぽい感じがイギリスらしい。

外を自由に出歩けないこと、感染の恐怖、家族や友人の心配等ストレス要因は様々ありますが、それに加えて、アジア人である私に対して心ない言葉を投げつけられることがあるのも、異国に暮らす上での1つの悩みです。

先日は買い物の帰り途中、50歳くらいの男性にすれ違いざま、「チャイニーズ、お前たちが感染を広げたせいで俺らは身動きがとれないんだよ!」と言われました。

また別の日は、窓を開けた車のドライバーと目が合ったと思ったら、その直後にとても不自然な(暴力的な)形でその車が歩道を歩いている私の目の前に停車。

私は瞬間的に危険を察知したので、すぐさま方向転換し、その車を避けましたが、方向を変えた時その車に軽くクラクションを鳴らされました。

私がもしそのまま車に近づいて行ったら、何を言われたか、または何をされたか、考えすぎかもしれませんが、想像するだけでゾッとします。

それまでは一切そのようなことはなく、むしろ多文化社会が進むロンドンでは異文化に対する寛容性があり、マイノリティの人種でも暮らしやすい場所であるように感じていました。ですが、今はなんだか少し違うような感覚です。

そんなこともあり、自己肯定感の低くなった私はいつの間にか下を向いて他人を顔を合わせないようにしたり、ソーシャルディスタンシングも大げさなくらいとるようにして、「感染に対してちゃんと警戒していますよ」ということを態度で猛アピール。傍から見るとすごく感じの悪い人に映っていたと思います。

ですが、そんなフラストレーションを抱えていた時、「こんなときこそ笑顔が大事だ」と思う瞬間に出会いました。にっこり優しい笑顔を浮かべてソーシャルディスタンスをとる女性とすれ違い、その人のちょっとしたふるまいが私の気持ちを明るくさせてくれたのです。

確かに、ムスっとした顔で距離をとられると、(そうでないと分かっていたとしても)いかにも自分がウイルスであるかのように扱われている感じがしてあまり良い気分はしませんが、逆に笑みを浮かべながら距離をとられると、「お互いに感染を防ぐための思いやり」という気持ちが伝わってくるような気がします。

たったこれだけのことでお互いハッピーな気持ちになれる。

もちろん、このようなストレスフルな状況下なので、自分の心にウソをついて無理してまで笑顔をつくる必要はないけれど、ムスっとして人を不快にさせるよりも、にっこりしてお互い明るい気分になれた方が日々気持ちよく過ごせるはず。

ありふれた言葉かもしれないけれど、こんなときこそ笑顔を大事にしていこう。

この事態が一刻も早く収束して、平和な日々が戻りますように。

一人でも多くの命が守られますように。

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