なぜサワードウは、ほかのパンと比べて健康に良いとされるのか

スーパー等で売られている通常のパンと比べてヘルシーなパンと言われるサワードウ。

なぜそのように言われるのでしょうか。

その秘密は、工業的に純粋培養された酵母(イースト)の代わりに発酵種(自然界に存在する乳酸菌や酵母等の微生物を培養したパン種)を使い、長時間じっくり発酵させて乳酸菌や酵母を増やすという製法の違いにあるようです。

乳酸菌というと、ヨーグルトやキムチといった発酵食品を思い浮かべますが、このサワードウも乳酸菌パワーの恩恵にあやかる発酵食品の一種です。

ということで、サワードウがほかのパンと比べて健康に良いとされる理由をまとめてみました。


◆栄養価が高い

一般的に、プレーンなサワードウブレッドは小麦と水と塩と発酵種のみで作られ、他のパンで使用される砂糖やオイルやドライイーストは使用しません。

栄養面で評価される点はこれだけではなく、発酵段階で乳酸菌からつくられた乳酸が、栄養(ビタミンやミネラル)の吸収を妨げるフィチン酸を中和させるため、ビタミンやミネラルといった栄養を身体に取り込み易くする役割を果たします。

◆消化に良い

サワードウの特徴の1つが、‘前消化’。

発酵の過程でつくられた乳酸は、タンパク質・でんぷん・脂肪の消化率を下げるフィチン酸を減らす作用があるため、それによってより消化をしやすい状態にしてくれます。

また、グルテン(タンパク質)の消化をしやすい状態にするため、食物不耐性による症状を軽減させると言われています。

◆低GI

乳酸には、グルコースの血中増加を緩やかにする作用があるため、グルコース恒常性が保たれ、血中のグルコース量に反応するインスリン分泌も緩やかに行われます。

インスリンは糖をエネルギーとして脂肪溜め込む働きがあることから、インスリンの緩やかな分泌は、余分な糖が脂肪になりにくくなります。つまり、低GI食品ということです。

◆長持ち

発酵種に含まれるイーストや乳酸菌の働きにより、発酵過程で生み出される有機酸(乳酸や酢酸)が微生物の細胞の酵素を不活性化させることで、腐敗原因菌やカビなどの繁殖を抑え、保存性を高める役割を果たします。

また、これらの有機酸は保水性を高める性質もあり、パンの老化を遅延させる効果もあるので、発酵種を用いないパンと比べて長持ちするということが言えます。


以上、サワードウブレッドにまつわる特長をいくつか挙げてみましたが、もちろん炭水化物に変わりはないので食べすぎには要注意です。
しかし、こういった発酵食であるということを知っていれば、より健康的な食事の選択肢の1つとして捉えることも可能かもしれません。

乳酸菌パワーおそるべし!です。

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