そもそもサワードウは、どんなパンのことを指すのでしょうか。
サワードウは、天然酵母(天然イースト)と乳酸菌を主体にもつパン種をパン生地(粉と水と塩)に混ぜて発酵させて作ったパンのことです。
市販のイーストが販売される1900年頃まではこの製法でパン作りが行われていました。
市販のイーストを使用したパンは短時間で安定してパンを膨らませることができる一方、天然酵母と乳酸菌による発酵は時間がかかり、また菌類の管理も必要になりますが、その手間がかかった分、味わいと健康面でメリットがあると言われています。
粉が水と混ざると、大きく2つの変化が起こります。1つは、粉に含まれるグルテン(たんぱく質の一種)が結びつき、生地内に立体構造を形成すること。もう1つは、粉に含まれるでんぷんが分解されて糖になること。
そこで、パン種に含まれる天然酵母は、でんぷんの分解によってつくられた糖をえさとして炭酸ガスを生み出します。この炭酸ガスがグルテンの立体構造に影響を与えてパンを膨らませます。
それと同時に、天然酵母による発酵はその過程で乳酸菌の増殖を促します。乳酸菌は糖やたんぱく質をえさとして乳酸を生産しますが、この乳酸がサワードウ独特の酸味や風味を産み出し、美味しさや健康効果の秘密となります。
サワードウの乳酸菌パワーについては、下記記事にまとめています↓
<参考>なぜサワードウは、ほかのパンと比べて健康に良いとされるのか
サワードウづくりは、スターター(パン種)をつくり、そこに粉と水を混ぜ合わせて天然酵母と乳酸菌を増やすことから始まります。
つまり、サワードウづくりにあたってポイントになるのは、元気なスターターをつくることと言えそうですね。