サワードウブレッド初心者、母のステップアップストーリー

私のインスタやブログを時々覗いていてくれた母が、ルヴァン種などの自家製酵母を使ったパン作りに興味を持ってくれました。
ということで、渡英前に種をお裾分けしたところ、瞬く間にパン焼きの沼にはまってしまったようで、毎日のように焼いたパンの写真がLINEに送られてきます。笑
母は昔パン教室にも通っており、全くのパン作り初心者というわけではありませんでしたが、自家製酵母を使ってハードパンを作るのは初めてで、最初は酵母の扱い方や生地の扱いのコツを掴むのに苦労しているようでした。
本や動画を見ながら上手くいかない原因を追究する母に対して、私も送られてきた写真を見ながら改善提案をしてみたり。

二人で1~2か月ほど、あれやこれやと試行錯誤を繰り返した結果、最近だんだんと納得のいくパンが焼けるようになってきた模様。

母の了解の下、その過程を少しご紹介します。

◆1回目

・強力粉 100%
・加水 80%

記念すべき第一弾!
加水80%に挑戦したものの、たんぱく質(100gあたり)11gと少な目の粉でグルテンの骨格をしっかり作らないまま長時間発酵を行い、どろどろ状態の生地で焼いたため、膨らまず。
発酵かごに打ち粉をするのを忘れ、取り出す際に生地がかごにくっついてしまったことも形崩れの原因に。
種はプクプクと元気なものを使ったものの、過発酵気味で全体的にスカスカのクラムになり、クラストも色が薄くなっています。

◆2回目

・強力粉 100%
・加水 70%

今回はオーバル型に挑戦。
加水を70%に落とし、たんぱく質(100gあたり)12g以上の小麦粉を使用した結果、生地が扱いやすくなり1回目よりも膨らみました。
ただ、今回も過発酵になってしまい、スカスカのクラム&薄い色のクラストに。

◆3回目

・強力粉 100%
・加水 70%

生地の扱いに慣れてきてグルテンの骨格が作れるようになり、今回は大きく膨らみましたが、切って中を見てみると全体的に詰まったクラムの中に大きな穴が数個。
過発酵を意識しすぎた結果、今回は発酵不足になってしまい、大穴と詰まったクラムの内層になってしまった模様です。

◆4回目

・強力粉 100%
・加水 70%

焼き色は良い感じに。
クラムは気泡が全体的に上の方に集まっているので、発酵段階の生地温度が高すぎたことや焼成時のスチーム不足が原因となっている可能性が。

◆5回目

気分を変えて黒胡麻パン。

もっちりと黒胡麻の風味が香る芳ばしいパンに。
オーブンから取り出して待ちきれずにすぐに切ったので、断面のクラムが潰れてしまいました。
上部の大穴は引き続き課題。

◆6回目

・強力粉 100%
・加水 70%

今回も美味しそうな焼き色に。
気泡も全体的に広がり、発酵の見極めもコツが掴めてきた模様。
さらに膨らませるためには、ラミネーションやストレッチ&フォールドの強さや回数、オーブンの温度、スチームあたりが課題になりそう。
発酵時間はもう少しとってもよさそうです。

◆7回目

・強力粉 100%
・加水 70%

今までで一番膨らみ、綺麗な焼き色に仕上がりました。
切るタイミングが早すぎてところどころ気泡が潰れてしまっていますが、全体的に均一に広がっています。
風味豊かなふんわりクラムにパリパリのクラスト。
「今までで一番美味しいパンができた!」と喜びの声が届きました。
写真から美味しいパンという感じが伝わってきますね。

次は飾りクープにも挑戦したいと意欲を出しています。




それにしても、母の上達の早さに驚きです・・!
母からアドバイスを求められる度に私もあれこれ調べて新たな発見があり、毎回勉強になっています。

最近はフルーツ酵母にも挑戦し、バリエーションを広げながらパン作りを楽しんでいる模様。
母の快進撃はまだまだ続きそうです。

7 thoughts on “サワードウブレッド初心者、母のステップアップストーリー

  1. 今まで読んだあらゆるカンパの記事で一番参考になりました!
    私はお母さまの1回目と同じ状態のパンを焼いて以来、
    恐怖でチャレンジ出来ないままです・・・。
    そのまま食べるには固すぎ、パン粉にしようにも刃が欠けそうで。
    でも、失敗を重ねてこその成功なんですよね。
    マンツーで教えて頂ける環境が羨ましい!
    是非、続編をお願い致します!

    1. 稲田さま
      こんにちは!とても嬉しいコメントどうもありがとうございます。
      失敗すると、時間も材料も無駄にしてしまった気分になり、落ち込みますよね。
      私もかなりの回数の失敗を重ねていて、その度に残念な気持ちになりますが、失敗した原因を考え、それを踏まえて改善した結果上手くいくと喜びもひとしおです。(そしてパン作りの沼にはまっていくという・・)
      振り返ると、失敗からは学ぶことの方が多く、その経験は完全に無駄ではありませんでした。
      とはいえ、納得のいくパンにありつけないのはやはり悔しいですが。笑
      いただいたコメントは母にも共有させていただきました。
      なんらかの形で続編もお届けできるように検討してみたいと思います。
      重ねてコメントありがとうございました。

  2. こんにちは!私もこの記事が他にない失敗原因が書いてあり、とっても役に立ちました!!気泡が上の方にあるのは発酵段階の生地温度が高すぎたせいなのですね!こんな事どこにも書いてありません。因みに、発酵段階とは、一時発酵の事ですか?何度キープが良いのでしょうか?

    それと質問ですが、私がずっと悩んでることがあります。何百個と焼いてるのに、未だにサクッとしたクラストに焼き上がりません、、、何というか、ヒキが良すぎて噛みきれないのです。皮の部分が噛みきれないのでサンドイッチなんてもってのほかです。何度かsnsベイカーさんに質問したのですが、全粒粉を使ってみては?などと、もうやってみている対処法しか答えが出ませんでした。後は蒸気が多すぎてもグミのようになると仰られてる方がいて、そう、グミのような感じなんです!ただ、蒸気は決しておおくはないと思います。減らしたからといって、クープの開きが悪いだけでクラストは余り変化ありませんでした。何かヒントになることを知ってらしたらぜひアドバイスをお願いいたします!

    1. rikoさんこんにちは!とても嬉しいコメントどうもありがとうございます。
      少しでもお役に立てたようであれば幸いです。
      ここでの発酵段階というのは一次発酵のことです。私は20~27℃(できれば22~24℃)の範囲で生地の温度を保てるように時々温度を計りながら調整しています。

      薄くてサクッとしたクラスト、美味しいですよね。私も大好きです。
      サクッとしたクラストかつふんわりしたクラムのパンを作るためには、しっかり予熱した高温のオーブンを使って短時間で水分をとばすことがポイントと考えています(種が元気で発酵も適切にできていることが前提とはなりますが。使っている小麦粉の種類にも左右されるかもしれません。)。さらに、焼き上がったらすぐにオーブンから取り出さず、オーブンの扉を開けたまま少しずつ冷ましていくとよりサクッとしたクラストになるので、私はいつもそのようにしています。
      確かに全粒粉やライ麦を使うとよりカリッとした食感になりますよね。オリーブオイルやバターなどの油分が含まれている生地もパリッとした食感になりやすいと思います。
      それから、これはまだ実験段階で確証はできていないのですが、オイルで手入れしたばかりのストウブを使って焼くと心なしかクラストがサクっと仕上がるような気がしています。

  3. Coto510様 早速のご返答有り難うございます!こんなに早くご返信頂けるなんてなんて優しい、、、感謝です!!!他の方にとってはそれ程の悩みではないかもしれないのですが、もうかれこれ三年くらいパン焼き、、、(しかもほぼカンパだけ)しているのに、いまだに思うような物が焼けないのでワラをもつかむ思いなのです、、、研究のために何度かSNSベイカーさんのカンパを買いましたが、みなさんクラストがしっかり焼きの厚い物でも、歯切れ良く噛み切れるのです。私のカンパみたいに、「にーっ」て歯で引っ張って食いちぎれない〜ーなんてことが無く、自分の腕の無さに毎回落ち込んでます、、、粉は皆さんも良く使われてるE65メインで、全粒粉やライ麦粉を少し混ぜた良くある配合です。皆さんにお聞きすると、粉と水、塩のみだそうです、、、。
    今度Coto510様のアドバイスのように、オーブンに入れたまま少しづつ冷ます方法をやってみたいと思います!また、ストウブの案ですが、私は厚手のオーブンに入れられる鍋は持っておらず、アルミのボウルを被せて焼く方法、、、又はオーブンの上の段に鉄板を入れて空間を狭める方法で焼いております。なので、今すぐに試してはみれませんが、Coto510の検証実験をぜひ今度ブログでUPして頂けたら嬉しいです!
    私もめげずに、まだまだ頑張ります!週末しか焼けないのでなかなか上達しないのですが頑張ります!!
    これからも、どうぞ、よろしくお願いします!

  4. すみません、汗 一箇所、呼び捨てにしてしまってるところがありました、汗
    「Coto510様」と、読んでください m(_ _)m 

    1. Rikoさん、ご丁寧にありがとうございます。
      呼び捨てになってしまったことは全く気になさらないで下さいね!私も時々やってしまうことがありますし、Rikoさんの素敵なお人柄は既にこちらに伝わっておりますので。
      自分が思い描いているようなパンがなかなか焼けないともどかしいですよね。。
      私がお伝えしたことが少しでもお役に立てれば良いのですが・・
      そしてやはり種が元気であることがとても大事な要素になってくると思うので、焼く前は2~3回程度間を空けずにフィーディングされることをお勧めします。

      ストウブの実験に関しては、現在私の家のオーブンが壊れてしまっているので進められていないのですが、再開してなんらかわかったことがあればこのブログでシェアしたいと思っています。
      これからも是非一緒にパン作り楽しんでいきましょう♪
      こちらこそ引き続きよろしくお願いいたします。

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