桃酵母づくりと中種で高加水パン

最近スーパーで出回り始めるようになったスペイン産の黄桃。

日本の桃よりも小さいサイズで、甘みと酸味とサックリした食感が美味しくて、夫も私も大好きなフルーツ。

そのまま冷やして食べたり、ヨーグルトの付け合わせとして季節の味を堪能した後、余った種と皮で酵母液を作り、その中種でシンプルな高加水パンを焼いてみました。

◆酵母おこし

煮沸消毒したガラス瓶に桃3つ分の種と皮をいれて、種と皮が十分かぶるくらいのぬるま湯(30℃前後)を注ぎ、ラップをかぶせて室温(私の家は26~27℃)に放置。

12時間置きに攪拌して様子を見ました。

すると2日目あたりから泡が立ち始め、3日目には泡がプクプクと。皮と種が浮き始めました。

ブクブクとまではいきませんが3~4日目あたりでピークに達したようで、それ以降は泡立ちが落ち着き、中身も徐々に沈み始めました。

もうちょっと勢いがほしいな~ということで、砂糖を少し加えて経過観察してみましたが、活性化する様子も感じられなく、このまま放置し続けるとカビ発生の恐れ(これで何度も失敗しているので・・)もあったので、中身を取り除いて冷蔵庫で休ませることにしました。

ビン底に白い沈殿物(酵母が集まっているオリ)もそこそこたまっていたので、それも判断の基準となりました。

濾した液

◆中種づくり

酵母液を6時間以上冷蔵庫で寝かせて、次は中種づくり。

今回はTOMIZさんのレシピに掲載されているあんこさんの方法を参考にさせていただきました。

液種40gと全粒粉40gを混ぜて、2倍以上になるまで室温放置。

膨らんだ量がわかるようにゴムで印をつけておきました
約6時間後、4倍くらいに膨らんでいます
中もしっかり気泡ができています

酵母種が活性化のピークを迎えたところで再び冷蔵庫へ。

6時間以上休ませます。

そして今度は、強力粉40gと浄水42gを加えてよくかき混ぜます。

粉と浄水を加えた直後
約6時間後、3~4倍くらいに膨らみました
フワフワで、揺らすとフルフルします

再び冷蔵庫で6時間以上休ませ、その後再び、強力粉80gと浄水56gを追加。

粉と浄水を加えた直後

約6時間後
泡もボコボコ

ここで再び冷蔵庫で6時間以上休ませて中種完成!

◆パンを焼こう

今回は以下2つのレシピとほぼ同様のやり方で、加水は85%、ルヴァン種を作りたての桃酵母の中種に置き換えて作りました。

また、生地の様子を見ながら、ラミネーションと折りたたみの回数も約2倍行いました。

この中種は固いので、生地に混ぜる際に少し水でふやかしてから加えるとなじみが良くなります。

発酵中の段階から桃酵母のエレガントでほんのり甘い香りが漂ってきて思わずうっとり。

そして、できあがったパンがこちら。

桃酵母のイメージとは裏腹にワイルドな仕上がりです。笑

みずみずしいクラムに、まるでポテトチップスのような薄いサクサククラスト。

過発酵ギリギリラインかという感じでしたが、旨味があって私好みの食感で美味しかったです。

2 thoughts on “桃酵母づくりと中種で高加水パン

  1. はじめまして。
    パンを作り始めて10年ほどなりますが、酵母を起こすことに興味が湧いたのが数年前で、こちらを時々利用しています。ロンドンから日本へ種と一緒に旅をした記事、とてもおもしろかったです!!
    上のクラシックサワードウのルヴァン種について質問です。ルヴァン種は2回以上種継した元種をそのまま使わずに、レシピの水•粉と合わせるプロセスが必要ということでしょうか。
    私は今まで、種は仕込み水(70%)で合わせ、粉と合わせていました。ルヴァン種の水が最終的に水分多めになってしまわないかと、疑問に思いましたが、いかがてすか?

    1. Sayuriさんこんにちは!
      ブログを時々覗いていただいているとのこと嬉しいです!種との旅の記事も読んでくださったのですね。ありがとうございます。
      ご質問につきまして、この部分の書き方は悩ましいな・・といつもうんうん言いながら記載していたのですが、やはりわかりにくかったようで失礼しました。
      このレシピでは、「2回以上種継した元種を使って、さらにパン生地用の種(ルヴァン)を作り、そのパン生地用の種がピークに達したところで、パン生地(粉と水を混ぜてオートリーズしたもの)に加える」という工程をとっています。と言っても元種も生地用の種(ルヴァン)も結局は粉と水を同分量で混ぜたもので、(呼び方を異にしているだけで)同じものなので、活性がピークに達している元気な元種をそのまま生地に使っても全く問題ありません。
      ここで一番お伝えしたかったことは、”活性がピークに達した種を生地に使う”ということなので、その工程が明確になるように敢えてこのような書き方にしていたところでした。
      また、いただいた質問へのさらなる質問となってしまい恐縮ですが、”種は仕込み水(70%)で合わせ”というのは、種の加水率も生地の加水率に合わせて70%にしていたという理解で良いでしょうか。
      この点、恐らく加水率の計算方法の違いからくるものかと思われますが、色々な本を読んでいると(1)種の粉と水の量も含めて加水率を計算する方法と(2)種の粉と水の量を含めずに加水率を計算する方法と2通りのやり方があるようです。この点当初私はよくわからずとても混乱したのですが、私は種の加水を常に50%(粉:水=1:1)に保って種継をしたり生地に混ぜているので、計算がしやすい後者(2)の方を使っています。
      ということで、私のレシピにおいて種の粉と水の割合は常に同じ(粉:水=1:1)と考えていただければと思います。
      答えになっていないようでしたらすみません。ご不明な点があれば遠慮なくお知らせください。

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